特殊清掃・延期

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 地方から大学通学のために出てきて一人暮らしの息子の突然の自死、このようなケースは何度かありましたが一様に重い雰囲気です、仕事としては割り切れるものですが少しでも感情移入させてしまったらどうもなりません、こちらとしては淡々と作業に没頭し出来るだけ短時間で撤収できるようにするのがサービスだと思います、両親や身内が同じ部屋にいて作業が進むわけはありません、一つ一つのモノへの問いかけがあります、なにも不要なモノはないはずです・・・、私たちはとりあえず死体があった痕跡を消すくらいしかできません、その先は手がつけれません、出来ることなら現場には身内は来てほしくないです、可哀そうなことは十分にわかります、でも可哀そうだけでは事は進みません、少しの時間を取ったところで何も解決しません、まるでこの世の不幸の固まりがこの部屋にうごめいているような雰囲気ですが、現実は壁板一枚外では普通の日常が進んでいます・・・

 遺族には特別な感情がありますが、それを取り巻く周りではすでに「お荷物」になっています、管理会社や大家は早急な退去と損害金の請求を話てます、同じマンションの住人でもあからさまに嫌悪感でみています、葬儀屋は悲しみを盛大に盛り立てて費用をたくさん加算しようと目論んでいます、警察が遺体を持って行ってますが事務的な対応だけです、結局早々に引き上げるしかないのです、遺族は。

 私たちも結局は作業を中断しないといけない事、このまま作業を続行できないことは多々ありまっす、いったんキャンセルして次の現場に行かないと困ります、結局は何の解決にもならないまま現場を引き上げることは可哀そうですが仕方ありません、たかが特殊清掃屋にできる事なんかありません、なだめすかして作業に入る気もしません、もちろん会社的には赤字です・・・・が、しかたないですね。

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